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手元を見ずにタイピングするために
コンピュータを抵抗なく使いこなすには、キーボードの操作を避けて通ることはできません。
一方、キーボードは適切なトレーニングで効率的な操作ができるように作られています。
手元を見ないでタイピングすることで、むだな視線の動きや指の動きがないため、効率的なキーボード操作が可能となり健康面でも好ましいと言えます。
1.1 指の動きやすい範囲
キーボードには、100個以上のキーが並んでいます。
手元のキーを見ずにキーをタイピングすることをタッチタイピングといいます。
この「タッチタイピング教育」入門は、タイピストとしての専門家を育てるためのものではなく、コンピュータを日常の仕事で抵抗なく使える人を育てることを目的としています。
国民の大多数、普通の人が普通の練習をすれば容易に身につけることのできる内容を目指しています。

多くの人にとってキーを見ずに操作できるようにできるキーボードの範囲は、
「上の段」(QWERTYUIOPを配置)、「ホームポジションの段」(ASDFGHJKLを配置)
「下の段」(ZXCVBNMを配置)の3つの段の範囲です。

キーボードの範囲

これはホームポジションに置いた指が、ホームポジションから効率的に動く範囲でもあります。

ホームポジションに指を置いて、この範囲で打てるキーの数は約30ですが、この中でも打ちにくいキーがあるので比較的打ちやすいキーの数は20数個です。
キーを見ずにキー操作するにはこの20数個のキーで入力ができることが好ましいということになります。

このように、3段のキーには、アルファベットの26文字が配列されています。
アルファベットで50音を表現する方法としてローマ字があります。
この3段のキーで操作できることの条件から、タイピングのためには、ローマ字入力が好ましいということになります。

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1.2 アルファベットキーを用いた「ひらがな入力」
タッチタイピングを身につけるにはローマ字入力が好ましいと述べましたが、ローマ字に不安を感じる人も多いと思います。次のような不安をよく聞きます。
しかし、基本を理解すれば決して難しくはありません。本講座を終了するころ、その不安は、なくなるにちがいありません。

ローマ字は苦手。
「ローマ字が思い出せない」「『ツェ』をどのように打てば良いのか分からない」など、不安があるのも当然です。本講座では、アルファベットでひらがな「五十音」を表現する方法を、わかり易く解説します。ローマ字の復習をしてください。
また、ローマ字を習ったことの無い児童への指導方法についても解説します。
ローマ字の対応表を準備していますので、それをコンピュータのそばに置いて練習し、慣れてください。
頭でローマ字への置き換えるのは面倒。
「か」は「K」+「A」と、文字を打つときいつも変換するのは面倒だとの意見もあります。
しかし、しゃべるときに「か」は「くっ」と「あ」の組合せで、などと考えてしゃべっているでしょうか? 口の形、舌の動かし方を考えているでしょうか?
意識せずにせずに「か」と発音していますね。
キーボード操作も「しゃべるように」自然に指が動くようになります。
置き換えを意識する心配はまったく無用です。
ローマ字にもいろいろあってどの方法を使うのがいいかわからない。
ローマ字には長い歴史がありますが、現在使われている代表的なものとして、小学校の教育で使われている「訓令式」と、英語の時間に学習する「ヘボン式」があります。
ここでは、小学校低学年・小学校高学年・中学校以上成人向け・高齢者向けで、いくつかのローマ字入力の方法を選べるようにしています。
基本、原則は、しっかり述べますが、実際に教える進め方は、指導者の裁量が生かせるようにしています。

訓令式
ヘボン式

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1.3 年齢とローマ字入力
ローマ字を習っていない児童にローマ字での文字入力を教えることは適切だろうか?
負担の多い児童にローマ字とは、さらに負担を与えることにならないだろうか?
定年を過ぎた方にローマ字入力でなければだめですよ。と強制できるだろうか?

これには、「無理だ」という声が返ってきて当然です。
しかし、利用するキーはアルファベットなのです。

本講座では、「ローマ字入力」という言葉はできるだけ避けたいと考えます。
アルファベットを、「ローマ字」ではなく、次のように説明したいと考えています。

手元を見ずにタイピングするために、指の動きやすいキーを使用します。
母音「あいうえお」は1つのキーで入力できます。「AIUEO」キーが対応します。
子音は、二つ以上のキーを組合せて表現します。
「か行」は「K」と「AIUEO」キーの組合せ、という風に考えます。
「ローマ字」という言葉は使わずに、二つのキーの組合せで
五十音の表が表せることを学習できれば良いと考えます。

キーボード入力の経験を通してローマ字に1歩近づくことができる、と考えてもよいかもしれません。
キーボード操作の教育を通して、アルファベットの学習やローマ字の予習ができると考えていただければ、と思います。

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1.4 五十音を表現するのに必要なアルファベットの数
五十音を表現するために必要なアルファベットの数は、
訓令式で19文字、ヘボン式では22文字です。
アルファベット26文字に比べて4文字〜7文字少なくなります。
訓令式では CFJLQVXを使用せず ヘボン式では LQXVを使用しません。

パソコンで日本語の入力をするためには、日本語変換プログラムで小文字「ぁぃぅぇぉっゃゅょ」などを指示するためにXやLを利用します。
このことを考慮しても、日本語の五十音を表現するには、アルファベットの26文字よりも少ないキーの種類で文字を表現することが出来ることになり、タッチタイプを習得するには、欧米より有利とも考えられます。

本講座では、学習するローマ字の難易度を基準に3つのレベルに区分しています。

小学校低学年向け ローマ字 五十音表 第1表  アルファベット20文字使用
小学校高学年向け ローマ字 五十音表 第2表  アルファベット22文字使用
成人向け ローマ字 五十音表 第3表  アルファベット23文字使用

成人用ローマ字五十音表では、23文字のアルファベットを使用していますが、
使用しない文字は、CQXです。
これらのキーは、左手の小指、薬指、中指の分担で、アルファベットの中でも
打ちにくいキーがそろっています。
これらを使わない「アルファベットでのひらがな入力」から練習することで、
挫折する人を少なくすることが出来ます。

もちろん練習のステップが進めば、CQXの練習をします。
「アルファベットでのひらがな入力」がタッチタイプで自由に打てるようになったころには、指が自由に動くようになるので、簡単にマスターできるはずです。

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